千葉県四方山話「第10話 内房の海と海水浴」
ここまでいろいろなことがありましたが、おかげさまで「千葉四方山話」も10話目を迎えることができました\(^0^)/ そんなわけで、これからも気持ち新たにがんばりますので、今後ともあたたかく見守ってやって下さい。
さて、記念すべき10話目…。
ネタの方、どうしようか…と直前まで考えあぐねた結果、やっぱり原点に戻ってみようということになりました。
考えてみれば、いつしか夏真っ盛り!
連日の猛暑の中を、汗だくになって働いているではないか…。そんなときは、やっぱり「海」に行きたいな──、と思ったりする。私、一部で身体は五十代といわれている(おいおい!)が、心はいつだって二十代だ!だから、今回のテーマは「海」 それも、もっと絞って「海水浴場」としてみた。
なんだ…とがっかりしないでちょ! 当時、実際にそこで泳ぎ、魚を釣り、アルバイトで船に乗って沖に出ていたヤツが語る「内房の海と海水浴場」の話。地元民しか知らないようなウラ情報やスポットも合わせて紹介しよう。ボリュームアップして、気合を入れてレポートしてみました。期待していいぞ!!
我が夏の日々に…
少年時代、夏!といえばその活動の大半は常に海と共にあったといっていい。
海には、一日いても少しも飽きることはなかったし、また、海に限らず一旦家を出れば、とにかく遊ぶことに事欠かなかった。まぁ、今のようにテレビゲームそのものがなかったし、朝からテレビにかじりついているということも考えられなかった時代である。子どもたちは、みんな外に出て、日が沈むまで真っ黒になって遊んでいた。
さらに輪をかけたようにビンボーだった我が家の経済事情は、家族旅行だとか娯楽というのはそれこそ夢物語だったのである。当時のCMにこんなのがあった。
「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい…丸大ハム」
ホント、そのままだもんね…。今時、このCMを知っている人は、「まいぷれ」の読者にいるんだろうか…。
さて、朝は6時前に起床し、ラジオ体操に行く前のひと仕事。クヌギ林の秘密の場所に行き、カブトムシやクワガタを採ってくるところから1日が始まる…。
朝メシを食べたら、これからが本番!
友だちと誘い合わせ、自転車で地元の海へ向かいます。手にはそれぞれのアイテムが…。釣り竿、網、バケツ、モリ…。大概の場所は、自転車があれば大丈夫。自宅から大体半径10キロぐらいまでは自転車で遠征していましたね──。
でも、残念なことに当時の海は、すっかり埋め立てられて、今は「富津火力」や「新エネルギーパーク」、「埋め立て記念館」などが建てられています。
海では、こんなことをやってました!
ず、釣りですな…。エサ? そんなもん、釣りをする前にその場で自分で採るんですがな。潮が引いた後の海辺に打ち上げられている海藻の下などを掘るとゴカイがいます。それをそのままエサにするんですね。だから、お金もかからない!
今はエサを買おうと思ったら、ゴカイだとかアオイソメなんて1パック500円するもんね。釣り糸を垂らすと、すぐにハゼやカレイなどが釣れます! ほぼ毎日、入れ食い状態ですが、どんなに大漁でも釣った魚は、その日のうちに放流してましたね。
また、海に注ぐ小さな川があったんですが、そこは淡水なのでウナギやザリガニもいたりしました。ザリガニは素手であっさり採れますが、ウナギは竹筒で作ったワナを仕掛けて採ります。これは、めったに採れないのでかかっていたら大騒ぎでした。海水の流れをせき止めてボラをつかまえたり、気まぐれにアサリを掘ってみたりと、とにかく1日中大忙しでした。
係留されている漁船の船室で、みんなでおやつを食べたこともあったっけ…。懐かしいな──。
海水浴場と言えば、ここで!
我が地元であった富津市には、全部で5つの海水浴場がありましたが、私が主に利用していたのは、「富津海水浴場」、「大貫中央海水浴場」、「新舞子海水浴場」の3つでした。
今回は、特にこの3つのスポットについて、実体験からのレポートを交えて紹介してみようと思います。そんなわけで、3つの海水浴場を改めて訪れてみました! その日は、あいにくの曇天で写真の方は今一つですが、そこはごかんべんを…。さらに、今回はHPや情報誌にも登場していない、地元おススメのスポットとしてとっておきのお店を紹介します!
富津海水浴場
東京湾に突き出したように位置する富津岬。その南側に約500mほどの砂浜が広がっています。この海岸は、一般に布引海岸という名称で知られていますが、地元の人は下洲(したず)とよんでいます。千葉県内では、首都圏にもっとも近い天然の海水浴場として有名です。遠浅な上、波も低く穏やかなのでファミリー向きの海水浴場としておススメですね。
東京湾に向かって左手にある防波堤では釣りを楽しむこともでき、この時期だとイシモチ・コチ・キス・セイゴなどたくさんの魚にお目にかかれる。この海岸では、秋口から初冬にかけて投げ釣りでフッコやスズキを釣ることもできるんですよ。
■アクセス
【マイカー】館山自動車道「木更津南IC」から富津岬方面出口を下りて国道 16号線を「富津岬」方面へ南下。約12キロ、25分ぐらいで到着。
※ 国道16号線が混雑しているようなら、君津の大和田から県道90号線に。埋め立て地を通るこのルートは富津公園まで一直線だ!
【電 車】 JR内房線青堀駅下車。日東交通バス「富津公園行き」で「新町」か 「富津公園」で下車。約15分。ここから徒歩で約10分くらいね。このバスは常時15~20分ぐらいの間隔で運行されています。
■駐車場
海水浴場周辺で約500台収容(無料)
隣接する富津公園には、ジャンボプールやテニスコート、キャンプ場などレジャースポットがたくさんある。周辺の民宿やホテルでは、いずれも地元の海の幸がふんだんに味わえるのがうれしい。少ない予算でたっぷり楽しめるプランを立ててみたい!もし、プランによって館山方面から逆行してくる場合、国道465号線を北上すると思いますが、その時はルートマップ通り進むのではなく、「下洲漁港」の標識を左折した方がいいぞ!
大貫中央海水浴場
地理的に、内湾のさらに内側に位置するポジションに加え、左右を防波堤で囲まれているので、波はとても 穏やか。他の海水浴場に比べ、より遠浅で砂質もさらさらで歩きやすいので、特に小さな子どものいるファミリー向けの海水浴場です。波打ち際に水鳥が遊ぶ砂浜には、その昔オトタチバナヒメの遺品が漂着したと伝えられる由緒ある海岸なんですよ。
ただ、やや狭いのが気になるかも…。海の家も1軒しかないので、食料などは事前に用意しておいた方が無難でしょうね。
すぐ近くにセブンイレブンがあるぞ。情報誌などでもあまり取り上げられないので、穴場といえそう。磯根崎の手前は、ゴツゴツした岩場になっていて、一般客はまず立ち入らない場所ですが、実はこの岩場がポイントなんです。海底まで続く岩場は、イイダコやアイナメなどの棲み家になっていて、潜ってモリで突いて手軽に捕ることができます。ただ、岩が見にくく、ちょっと泳いだだけでも足に傷ができてしまうようなところなので、慣れている人でも要注意です(おいおい…)。だから、こんなのは地元でも一部のヤツしかやらないんですって。
■アクセス
【マイカー】
館山自動車道「木更津南IC」から館山方面出口を下りて国道127号線を館山方面へ南下し、「佐貫町駅方面」の標識を右折すると国道465号に入る。佐貫町駅を正面に見て、右折。ここから約10分。
休日の日中、国道127号の下りは常に渋滞と思って間違いないので、できるだけ早朝に通過したい。地元民は、「君津・大貫線」とよばれる県道159号などのウラ道を利用するが、同じような景色ばかり続くので慣れていないとわかりにくいかも…。この場合、人でも機械でも、性能のよいナビがついていることが条件。
【電 車】
JR内房線大貫駅下車。徒歩で約10分くらいと近いのがうれしい。
■駐車場
海水浴場周辺で約50台収容(無料)
周辺には旅館や民宿もあるので、富津公園や東京湾観音、マザー牧場など富津観光を楽しむ場合、このあたりをベースにすると利便性の点でポイントが高い。
新舞子海水浴場
右手に見える大坪山の頂上に見えるのが、かの「東京湾観音」。晴れた日には、対岸に横浜港周辺まで見渡
すことができ、さらに「富士山」まで見ることができるという、市内海水浴場の中で、もっとも恵まれたロケーションにある。砂浜は約500mに渡って続いており、あまり混雑していないのもいい。
地元の泳ぎ達者な人は、区域外で泳いでいたりするが、マネをしてはいけないとつけ加えておく。
■アクセス
【マイカー】
館山自動車道「木更津南IC」から館山方面出口を下りて国道127号線を館山方面へ南下し、「佐貫町駅方面」の標識を右折すると国道465号に入る。佐貫町駅を正面に見て、左折。ここから約10分。例によって休日の日中、国道127号の下りは常に渋滞と思って間違いないので、できるだけ早朝に通過したい。
【電 車】
JR内房線佐貫駅下車。徒歩で約20分くらい。駅から日東バス「笹毛行き」を利用してもいい。「学園前」で下車。ここから徒歩1分。
■駐車場
海水浴場周辺で約100台収容(無料)
小さな防波堤があるが、その周辺をさりげなく覗いてみよう。運がいいと岩ガキが採れるぞ!!帰途、「東京湾観音」に立ち寄って、ひと味ちがう眺望を楽しもう。空気が澄んだ日は、絶景といっていいくらいの眺めが、新鮮な感動を与えてくれます!
富津岬、いつしかジェットスキーのメッカに…
その昔、ジェットスキーというのは一部映画やテレビなどに限定されるリッチなマリンスポーツという印象がありましたが、今では手軽に楽しめるレジャーとして若者から壮年まで幅広く浸透しています。
気になるマシンのお値段は、というと国内ではヤマハとカワサキが二大メーカーだそうで、一人乗りで80~160万円ぐらいするそうです。中古だともっと安いとのことですが、それでもあっさり買えるようなモノではなさそうです…。
しかも操縦するのには、四級小型船舶の免許も必要なんだと。
さらにジェットスキーを運搬するのに乗り付けている車の大部分は、キャンピングカー!全然庶民的ではないです…。
でも海の上を颯爽と風を切って走るって気持ちいいだろうな──。
そんなわけで、岬の右側(潮干狩り場の横あたり)から第一海保にかけての海域は、ジェットスキーの走行エリアとなっており、たくさんの若者や家族連れでにぎわっていました。波打ち際では、海水浴がてらアオヤギを採っている人、防波堤では釣りを楽しむ人それぞれの夏のひとときを思い思いに楽しんでいました。
このあたりは、昔からウインドサーフィンをやる若者であふれていたものですが、今回訪れたときは、ウインドサーファーは一人もいませんでした。これも、時代の流れというヤツですか…。
地元の隠れた名店を紹介しよう!
富津公園入口にある案内所の横の道を入ると、目の前に潮干狩り場が見えてくる。その道を右折すると、すぐ右手に「魚忠」があります。実はこのお店、今まで情報誌やWeb上でもあまり知られていないので、思い切って紹介してみることにしました!
たたずまいは小さいのですが、土産物の販売のほか、店の奥が食堂になっていて地元の海の幸をそのまま味
わうことができます。
扱っている海産物はさまざまですが、特にオススメしたいが自家製の「いちご貝の佃煮」、「青柳の浜煮」、「アサリの佃煮」の3点です。この3つの貝は、地元の特産として昔からなじみのある味として親しまれてきたもので、地元の人もよく買いに来るのだそうです。
佃煮は、それ自体高級料理でもなく、特別な調理や味付けをほどこしているわけでもありません。どことなく懐かしく素朴な味わいが、熱いご飯にぴったり合うというのがうれしい。
食堂のメニューに目を向けると、定番の富津名産「青柳づくし」(1,000円)、「あさり御膳」(1,000円)、 「貝柱丼」(850円)に加え、「アサリの味噌汁」(150円)!なんてのもある。何といってもオススメは「海鮮焼」(1,500円)ですね──。ざるいっぱいに載せられた「さざえ・ほたて・はまぐり・青柳・西貝…」ボリュームたっぷりの海の幸が味わえ、この値段ならもうかなりお得です!
ご注意:
上記の記事は、地域情報サイト「まいぷれ」で掲載されていた「千葉県四方山話」というコンテンツを転載したものです。記載されている内容は、当時のものですので、現在の情報とは異なる可能性があります。ご了承ください。

南野 風

最新記事 by 南野 風 (全て見る)
- 千葉県四方山話「第12話 そうだ。銚子に行こう!」 - 9月 29, 2015
- 千葉県四方山話「第11話 横浜紀行!PART2」 - 9月 29, 2015
- 千葉県四方山話「第10話 内房の海と海水浴」 - 4月 23, 2014