千葉妖怪伝説「 その七 坊主男は総武線にのって」

ご注意:
下記の記事は、地域情報サイト「まいぷれ」で掲載されていた「千葉妖怪伝説」というコンテンツを転載したものです。記載されている内容は、当時のものですので、現在の情報とは異なる可能性があります。ご了承ください。


 サイト妖怪王を運営するようになって1年半が過ぎた。YAHOOにも登録されてないのに毎日300近い人が訪問するようになり1年半で12万ヒットを記録、妖怪サイト界では1日平均高のヒット数を有するようになった。当然、妖怪に関する質問や、不思議な体験なども多く寄せられるようになり、「妖怪王」がまるで妖怪の巣窟のようになってきるようです(笑)そんな妖怪王にたびたび寄せられるのが「現代妖怪」の情報である。「花子さん」「口裂け女」の定番もあるが、時々妙な情報が集まってくる場合がある。

 例えば「アンサー」という怪人、こいつは10個の携帯を集めて1番目の携帯電話から順番に10番目の携帯電話まで、まるでリレーのように電話していくと最後の10番目の携帯電話の液晶画面に現れるという。そして3つの質問をするとか、希望を適えてくれるとか言われている。時には携帯の中から現れ 身体の一部のパーツを奪っていく場合もあるという。この妖怪などは、携帯依存症の若者の心境を見事に表現している妖怪である。また「アンサー」という言葉はみのもんた氏の司会するあの番組からきた命名かもしれない。或いは何でも答えを求めたがる現代のゲーム世代の若者への警鐘かもしれない。

 また「壁おやじ」という妖怪も神奈川・東京の読者から寄せられた別々の体験・投稿にあった妖怪だ。この「壁おやじ」名前からしてもわかるように中年のおやじの姿をしている。このうだつの上がらない「おやじ妖怪」はリストラされ、悲惨なことにビルから身投げをし、その霊がビルの壁にしがみついたものだという。体験者によると壁から姿を現し、ビルを昇って自殺の再現をしたり、或いは気に入った目撃者の尾行をしたりするそうである。なんとも物悲しい妖怪ではないだろうか。死んでも壁際、窓際が好きとは泣くに泣けない話である。この平成の底の見えない不況はついに妖怪界にも波及し、このような不況妖怪を生んでしまったのであろうか。

 他にも興味深い妖怪・怪物はいる。大阪の人が教えてくれたのは「2m30cmのおっさん」である。まずこの凄いネーミングに大阪人の魂を感じるのは私だけであろうか。

 更に、興味深いのはこの妖怪(怪人?)のする事は「只やってくる」だけである。「早く寝ないと2m30cmのおっさんがくるで」とまるで「伝統行事のなまはげ」ように大阪人は教育されたという。そうなのだ。このふざけた妖怪は子供の躾や教育に使用される「教訓妖怪」であったのだ。当然、パンチの効いたこの教育に、大阪人の子供は突っ込むには違いない。「んな あほな」どうだろうか。見事にひとつの掛け合いが成立しているではないか。この教育とは「ボケとつっこみの教育」であったのであろうか。大阪人おそるべしである。

 さらに「口割れ女」という妖怪もいるらしい。愛媛の民俗学関連の友人が教えてくれた もので、愛媛では昔から「口裂け女」と呼ばずに「口割れ女」と呼ぶのだそうだ。これは現代妖怪の名称で初めて方言が確認された希有な例ではないだろうか。誠に貴重なサンプルである。でも「口割れ女」だとやや殺気がなくなるような気がするのも事実である。では何故このように愛媛だけ妖怪名の変革が生じてしまったのであろうか。それは地元マスコミが最初「口割れ女」として報じてしまったのが原因ではないかと言われています。

 では私達の住む千葉には現代妖怪はいないのでしょうか。

 安心して下さい(笑)千葉には「坊主男」というなかなか個性的な奴がいます。出てきた当初は小人なのに段々大きくなったり、くりくり頭をこすりつけてきたりするそうです。元々は巨人だったちう説もあり、いまいち正体が不明です。昔は小岩に出たのですが、最近は東船橋や津田沼に出るそうです。植物である「ひっつき虫」の精であるという話もあり、段々東京から周囲に広がっているのも、自然崩壊が進んでいるのかもしれません。

 今日も坊主男は総武線にのって出没しているのかもしれません。

坊主男

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