千葉妖怪伝説「その十七 会社の怪談」

以前この連載において軍隊における怪談を書いたことがある。精神力の強い軍隊でさえこうである。ひょっとすると人が3人集まるとそこには怪異が生まれるのかもしれない。

そうだ。

人の心と心の触れ合いから”何者か”が這い出ている。それを人は「妖怪」と呼ぶだろう。かつてバブル景気全盛の頃、日本列島を「学校の怪談」ブームが襲った。子供から大人まで夢中になった。学校という現代の囲炉裏端から発生した妖怪達に心をジャックされたのだった。テケテケ、花子、ヨダソウ。多くのスター妖怪が輩出された。まさに平成の妖怪ブームだったといえる。最近では学校の延長線であろうか。「会社の怪談」というものもある。

「学校の怪談世代」が「会社の怪談」を語り始めているのだろうか

今回は、千葉県の某企業で囁かれているいくつかの奇妙な話を紹介してみよう。今から20年程前バブル前夜の時代。その企業は千葉県内某所に倉庫を建設した。その建設の際、予定地にあった「稲荷」を移動した。その会社がその土地を買い入れる前からそこに鎮座する「稲荷」は祟ると評判のオイナリさんであったという。「そんな事があるわけない」その企業の社員は馬鹿にし、稲荷を移動してしまった。果せるかな。稲荷を移動した直後、その社員は死亡した。

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「やっぱり祟りは現実に存在する」

地元の住民、他の社員達は恐怖をおぼえた。しかし工事は実行される。大手のゼネコンが地盤を改良し、倉庫の建設作業は続けられたのだ。途中再び悲劇が起こった。建設現場で作業員が落下し死亡してしまったのだ。高所から落下した作業員の首は、もげかかっていたという。その後大きな事故もなく工事は完了する。

そして数ヶ月か経った頃その企業の倉庫担当者の中で不思議な話が語られ始めた。商品を入庫し、倉庫のエレベーターで2階に上げると荷物の上に生首がのっているというのだ。

「そんな馬鹿な」

倉庫担当の責任者は否定したが、生首の目撃者は増え続けた。それから20年今も忘れられた頃に生首はやってくるらしい。

この因縁話を知らない新入社員が時々
「生首を見た」
と事務所に駆け込んでくるのだ。

この話を語ってくれたTさんはもうこの世にはいない。移動した後の稲荷の鳥居に車をぶつけた後、亡くなったのだ。生首は今もエレベーターの扉の向こうで微笑んでいる。なんせ会社員にとって「クビ」ほど怖いものはないから (笑))


ご注意:
上記の記事は、地域情報サイト「まいぷれ」で掲載されていた「千葉妖怪伝説」というコンテンツを転載したものです。記載されている内容は、当時のものですので、現在の情報とは異なる可能性があります。ご了承ください。

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