千葉妖怪伝説「その二十四 首無し霊団の祟り(前編)」

世に因縁話と呼ばれるものがある。「親の因果が子に報い~」などの名調子で語られる古典なら、皆さんご存じであろう。「かさねケ淵」や「四谷怪談」など、親のおかした咎や罪が子供に祟りとして跳ね返る怪談話の事である。千葉県下を取材していると、時々そんな因縁話に出会う事がある。

 基本的に筆者が取材するのは「民話」「伝説」「都市伝説」が多いのだが、この手の心霊談めいた因縁話もなかなか興味深い。背筋に冷たい汗が流れる事もある。そんな因縁話からいくつか、紹介してみよう。読み終わった後、因縁のカルマに取り込まれても、後悔なさらずように(笑)

 まずひとつは千葉県下の某地における出来事である。今から数十年前、ある企業の社長が自宅用の土地を探していた。たまたま情報が入ってきた良い土地があったが、墓場の隣接地であった。しかも、一応隣接地と言っても、かつては墓場の一部であった土地で、今も土中には骨が埋没しているという土地である。地元では既にいくつかの怪異談もあったという。だが、県の指導により、墓場が霊園として近代化区分され、余剰土地として売りに出された土地であった。だから、底抜けに安かったのだ。

「安いな~、わしはこの土地に家を建てるぞ」

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一代で企業を創り上げたその社長は、倹約家であり、安いものが大好きな人物であった。祟り以上に、安いことが美徳と社長にはうつったのだ。だが、予想どおり、家族の反発は激しかった。

「幽霊はいないと思うけど、なんか気持ち悪いね」
「なんかいやな予感がするよね。この土地はやめない?」

このように家族は、猛反対だったのだが、元来理科系の社長は、一切幽霊や怪談などは信じない主義であった。その社長にとって、科学こそルールであり、真実はお金のみであったのだ。

「この宇宙時代に馬鹿な話だ!わしはこの土地を買うぞ」

こうして社長は、半ば意地を張る形でこのいわく付きの土地を購入し、マイホームを建設した。以来、奇妙な事件が続いた。毎夜毎夜、大勢の人の気配が庭を通過して行ったり、寝ている家族の枕元で、大勢の人が囁く声が聞こえたという。

「もういや、こんな家住めないわ」
「お父さん、確かにこの家は何かいるわよ」

家族の悲壮な叫びに、社長は耳を貸さなかった。社長には一切そういう現象が察知できなかったのだ。どいつもこいつも馬鹿者め、弱い心・迷う心が、幽霊を見るのだ。社長の意志は固かった。

「おまえたちこそ、精神的につかれてんだろう。いい加減にしなさい」

そう言って、家族の心霊体験を相手にしなかった。ある夜の事である。深夜帰宅した社長は、車庫に車を入れようとしたが、車庫の前で、何故か動かなくなってしまった。これが全ての始まりだった。


ご注意:
上記の記事は、地域情報サイト「まいぷれ」で掲載されていた「千葉妖怪伝説」というコンテンツを転載したものです。記載されている内容は、当時のものですので、現在の情報とは異なる可能性があります。ご了承ください。

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