千葉県四方山話「第2話 房総の旬を食べる~海の幸~」
地域によって若干の違いはあれど、今年は例年よりも約10日も桜の開花が早かったそうです。おかげで全国あちこちで花の催しがオロロ~ンとなったとか…。
でも私の周りでは、風や気温に関係なくみんなしぶとく花見をしていました。本来、花見はうららかな春の陽射しを浴びながら、できれば心地よい風が吹いていたりして、その情緒を味わうものだという私は、何がなんでも花見!というのはちょっとカンベン…というタイプです。まあ、人それぞれですが、元気があってうらやましいな…。
そんなわけでシリーズ第2回、気を取り直してがんばります。今回のテーマは「房総の旬を食べる!」です。ん?ちょっと待てよ…。千葉県は海の幸も山の幸も、またあれもこれもとうまいものがたくさんあって…さて困った…。
さらに困ったことに、今はある種の味覚にしてもほぼ1年中食べることができるので、あらためて「旬」などといってみても「旬?なにそれ?」ということになってしまうのである。ならば、この機会に房総で味わえる旬の味覚について見直し、その素材や料理を紹介してみよう!ということになったわけだ。
ちなみに「旬」とは、いうまでもなく魚・野菜・くだものなどのもっとも味の良い出盛りの時期のことです。ここで紹介する旬については素材や地域性などにおいて異論もあるかと思いますが、そこはひとつ広い心で許してやってくださいね。
とにかくスペースがいくらあっても足りないくらいなので、今回は、海の幸編ということで、「これ!」というものにしぼってまとめてみました。
■なんといっても、伊勢エビだ!!
● 知ってたかい?千葉県は、日本一の伊勢エビの生産地だということを。
【水揚げ量県別ランキング】
- 1位:千葉県
- 平成10年:174t
- 平成11年:183t
- 2位:三重県
- 平成10年:137t
- 平成11年:163t
- 3位:静岡県
- 平成10年:131t
- 平成11年:155t
【水揚げ量漁協別ランキング】
- 1位:千葉県・夷隅東部
- 平成11年:51t
- 2位:静岡県・南伊豆
- 平成11年:46t
- 3位:静岡県・下田
- 平成11年:36t
- 4位:千葉県・新勝浦市
- 平成11年:33t
ちょっと意外だったでしょ。伊勢エビというからには、三重県が1位なのかな、と思ったりしていたのですが、なんと千葉県が堂々の第1位です!!そんなわけで、伊勢エビ。ほぼ1年中食べられますが、旬は4月から5月頃にかけてですね。千葉県では、6月から9月ぐらいまでが産卵期になるので、その前の活発な時期が身がしまっていてもっともおいしい時期になります。
どんな料理がおススメなの?
代表的な料理としてまず、活き造り・鬼殻焼きを挙げることができるでしょうね。もっともポピュラーで、なじみのある料理ですから…。多くのホテルや旅館ではまずこの二つをベースに、天婦羅・具足煮・味噌汁・サラダと、それぞれ趣向を凝らした調理法で楽しませてくれるはずです。
■ 活き造り
見た目もゴージャスで食べるのがもったいないような…。でも結局食べるんですよね。食べはじめると一匹では物足りないので、もう一匹追加したりしてとにかく高くつくのが特長。食べ終えたあとの殻は味噌汁にしてくれます。たぶん、これ一番人気ね!
■ 鬼殻焼き
これ、たれと焼きにポイントがあるんですよね。ちょっとお教えすると、たれは、酒・みりん・醤油を同量ずつ混ぜ、砂糖を少しだけ加えて甘めに仕上げるのがコツです!このたれに5分ぐらいつけて焼き上げます。お試しあれ。
■ 具足煮
これもだしが決め手といっていい。酒・鰹だし・醤油などの絶妙なブレンドは、プロならではの味わい。個人的には、おろししょうがでアクセントをつけた方が味が引き立つような気がします。隠れた人気があるのに、供給されるホテルや旅館は意外に少ない。
■ 天婦羅
これは、贅沢な一品だと思うぞ。あまりお目にかかれないんじゃないかな…。伊勢エビの身を丸ごと天婦羅に! 食べたことのない人は、この味を想像してみてください。それだけで生つばゴックンものです。
■ サラダ
いろいろな風味や造りが味わえるので、自分好みの味を探してみるのもいいかも…。トマトやかいわれ大根などの野菜を中心にしたもののほか、おもにワカメなどの海藻類でアレンジしたものなどいろいろあるぞ。
■あわび!!この至福の味わい
● 思いたったら、あわびを食べよう。
千葉県内では、おもにくろあわび・まだかあわび・めかいあわびの3種類のあわびが水揚げされています。あわびは、海藻の多い岩礁に棲んでいて、県内では安房地方が有名な産地として知られています。あわびの旬は、実は夏なんですが、千葉県では6~7月頃からシーズンをむかえます(伊勢エビのあとの旬!というわけだ)。
あわび、まめ知識!実はあわび、さざえと同じように1枚の貝殻からなる仲間なんですねー。小さいヤツを「とこぶし」といって、懐石料理などの煮物としてお目にかかったりします。
● さて、あわび料理といえば…。
あわびは、捕れたてでつつくと身がきゅっと縮むものを刺し身で食べるのが一番ですが、いろいろな調理法があり、ここでは個人的に選んだ「これはうまい!」を紹介してみます。
■ 刺し身
これはもう説明不要でしょう。外房沿いの漁師町だったらどこでも捕れたてで新鮮な刺し身が食べられます。見た目を楽しませるためか、カットや盛り付けはさまざまなものがありますね。右のようにシンプルなのが一般的です。
■ 踊り焼き
生きたまま火にかけるという、あわびにとっては残酷この上ない調理法。焼くことによって生臭さが消え身がやわらかくなるので、においがちょっとという人はこれね。おもにバターで焼いています。
■ しゃぶしゃぶ
酒蒸しにしようかしゃぶしゃぶにしようか、迷いました。どっちも甲乙つけがたいのですが、めずらしいかなと思う方をチョイスしてみました。湯通しすることで、あわびのうまみと食感が味わえるので、 機会があればぜひ食べてほしい一品!
これらのほかに「あわびのきもソースステーキ」というの食べたことがあるんですが、残念ながら、これ数年前湯河原温泉にいったとき食べただけの幻の味なんですね。千葉で食べられるのならまた食べてみたいと思うのですが、どなたか情報をお持ちの方、編集部までご一報を…。
次回は「房総の旬を食べる!」その2として、山の幸「たけのこ」とか「山菜」について、紹介してみようと思っています。ご期待ください。
ご注意:
上記の記事は、地域情報サイト「まいぷれ」で掲載されていた「千葉県四方山話」というコンテンツを転載したものです。記載されている内容は、当時のものですので、現在の情報とは異なる可能性があります。ご了承ください。
南野 風
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