千葉県四方山話「第3話 房総の旬を食べる~山の幸~」

桜前線はいつのまにか北上し、見渡せばもうすっかり葉桜のころになってしまいました。おいおい、あれれ? という感じです…。今年は一体どうなっているんでしょうか…。この調子だと例年より早く1年が過ぎてしまいそうな気がします。 第3回は、「房総の旬を食べる! その2」というわけで、「山の幸」にスポットをあててみました。

この時期の山の幸といえば、たけのこだ!!

 正直いって今年の気候状況だと「たけのこ」のシーズンは過ぎちゃったかも…。たけのこってさ、平年でも2月下旬ごろから出荷されることもあって、地域によって多少のズレがあるみたいなんですよね…。
でも、やっぱり採れたてのたけのこで味わう、味噌汁とかたけのこご飯とかすごくうまい!と思うので、ここで紹介してみようというわけさ!

■たけのこ狩りをやったことがあるかい?

そもそもたけのこ、来歴だとか品種だとか難しい話はぬきにして役に立つ話しはないものか、とよく聞かれる。そういえば、自らたけのこを掘ったのは小学校の時以来かなぁ…。旅先でちょこっと掘ったことはあるが久しく経験していないのに思い至った。当時、私が掘っていたたけのこは観光農園などでなく、山の斜面に自生しているものをハンティングしていくようなものだったから、それこそレジャーとかいった趣きはまったくなかったんだね、これが…。

■そうだ、大多喜町にいってみよう!

そもそもたけのこ、旬は4月から5月中旬頃とされています。千葉県だと大多喜町が有名です。大多喜町は近くに養老渓谷があるので、わりとおなじみの町だと思います。また、自然が豊かなこの町は、フィッシングパークや県民の森などのレジャー施設が随所にあるので、家族連れでも1日たっぷりと楽しめます。そして、新鮮なたけのこに舌鼓を打ってみるのもいいぞ!

大多喜は、江戸時代に城下町として栄えた町です。現在の大多喜城跡には、当時の天守閣が復元され、内部は千葉県立総南博物館として貴重な資料などが展示されています。
 
また、町の中には江戸時代末期に建造され、国の重要文化財にも指定されている渡辺家住宅があったりして、 歴史的にも価値ある史跡が多く残っています。でも、この渡辺家住宅、外観のみ見学可ということで、残念なが 内部見学することはできませんので、ご注意くださいね。

場所はここね。↓  

■たけのこの選び方とゆで方のコツを…。

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選び方

  • なるべく太くてずんぐりしているものがいい。
  • 皮につやがあって、うぶ毛がそろったものを選ぼう。
  • 根元の部分が変色しているものはダメね。
  • 大きさのわりに軽いものもダメよ。→ 水分が少なく鮮度が落ちているんだ。
  • たけのこは、朝掘ってその日のうちに食べるのが一番美味しいとされています。朝掘 りのたけのこを買ったらなるべく早くゆでましょう。時間が経つほどえぐみが強くなってしまいます。

ゆで方

  • うまみを逃がさないポイントは、皮をつけたままゆでること!
  • 皮をむかずに先の部分を斜めに切り落とし、縦に包丁を入れます。
  • たっぷりの水に10~20%くらいの米ぬか(なければ米のとぎ汁で代用)で、 1時間ぐらいゆでます。
  • ウラ技 → 米ぬかといっしょに赤唐辛子を4~5本入れてもいいんだぜ。
  • ゆで上がりの目安は、根元の固いところにつまようじがスーッと入るよう になったらOKだ!火を止めてそのまま冷やそう。
  • 保存する場合は、密閉容器に移し水をひたして冷蔵庫に入れておくこと。 それでも1週間から10日ぐらいのうちには食べるようにしましょうね。

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◆たけのこ ワンポイント・レッスン 1◆

たけのこは、その部位によって調理用途が使い分けられています。 たとえば、先端の柔らかい部分は、吸い物・和え物・酢の物、中ほどの部分は、煮物・炒め物・たけのこご飯、根元の固い部分は揚げ物というふうに、さまざ まに利用されているんだよ。 外食で注文したメニューを思い出してみると、和風・中華とそれぞれの料理に 応じて、使い分けられていることに思いあたるでしょ? ほら、中華丼や八宝 菜の中に必ずといっていいほど入ってますよね。

◆たけのこ ワンポイント・レッスン 2◆

たけのこの栄養成分はたん白質と炭水化物が中心で、うまみの成分も、チロシン・アスパラギンなどの窒素化合物が多いため、味わいそのものは非常に淡白 です。したがって、調理のポイントは「だし汁」が決め手になるといっていいでしょう。

おススメはこんぶだしですね。まず、火をつける前にこんぶを10分ほどなべに ひたしておきます。弱火で煮て、沸騰したらこんぶを取り出します。今度は び強火で沸騰させ、かつおぶしを加えたらすぐに火を止めます。かつおぶしが 底に沈んだら、すぐにふきんやペーパータオルでこせばOKです!

山菜っても奥が深いぞ、隠れた人気モノだぜ!!

■ 昔はいたるところに山菜があった…。そりゃ、田舎だもん…。

といってしまえば身もふたもないが、実際そうだったんだからしかたない。でも今でもそう だと思うんですが、山菜だとか野草だとかいうのは、気がつかないだけで、身の周りに意外 とたくさん生えているものです。たとえば、食べられる野草といえば春の七草をはじめ、タ ンポポやツクシなど、みんなおなじみの野草ですよね。

  私の田舎(覚えていてくれた?富津市ね)では、道端のいたるところにヨモギやオオバコが生えていて、ちょっと山の中に足を踏み入れるとフキノトウやゼンマイが自生していたりしていたものです。それはもう、当時は(私の少年時代のころだから、もう30年ぐらい昔…。 あ、歳が…)あたりまえの情景でふ~んて感じでした。

■ 志貴皇子(しきのみこ)の歌に思いをよせて

石(いわ)ばしる 垂水の上のさわらびの
    萌え出づる 春になりにけるかも (万葉集 巻八・1418番歌)

高校時代に万葉集に親しみ、大学に通うようになって専攻した国文学の講義で深く感銘を受けた万葉集の歌の中で、私が一番好きな歌です。

 志貴皇子のよろこびの御歌と題される、この一首。万葉集中にわらびの歌は本歌だけしか ありません。「石(いわ)ばしる」は、石の上をほとばしる激流、「垂水は垂れる水」、つまり 滝のことです。意味は、「岩の上をほとばしり流れる滝のほとりに萌え出したわらび。いよいようれしい春になったことだなぁ」となります。

 このわらび、奈良の正倉院書物によれば、当時はすでに食用として人々のあいだに広まっていたことがわかります。岩の間をほとばしる水の冷たさがぬるみ、陽あたりのよい水辺のほとりに萌え出るわらび。 その光景を見ると、「ああ、もう春だなぁ」と感じられるようになります。シンプルだけれど、 動きと色彩をリズミカルに詠み歌ったこの歌は、万葉集随一の名歌として知られています作者の志貴皇子は、天智天皇の第七皇子で第49代光仁天皇の父でもありましたが、志貴皇子自身は、歴史の表舞台にはほとんど名前の出ることはありませんでした。このあたりの歴史 的背景はとても興味深いのですが、私自身その生きざまに心ひかれるものがあり、この歌を自撰百人一首の上位にランクしています。

 あ、自撰百人一首というのは、万葉集から現代までの歌の中で、「私はこの歌が好き!」というのを独断と偏見で選んだ和歌集のことです。機会があれば紹介したいなと思っていますんで、和歌や短歌に興味のある人は声をかけてやってください。

■ じゃ、実際に山菜を採ってみよう!!

 ひと口に山菜採りといっても、深い山に本格的に入山するようなイメージをもつ必要はまったくありません。

 人がめったに入らないような手入れもされていないような山奥で、川のせせらぎは下りていくのも難儀な深い谷…。近くには人家はおろか歩道もなく、野生のシカやサルがいたりするような深山には山菜がたくさん生えているような感じがあるかも知れませんが、とんでもない話です。たしかにフキやゼンマイ、コゴミなどが自生していますが、これらの場所では採るのが非常に難しいはずです。まず、そんなイメージを払拭しましょう!

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 フキノトウを少しだけ採ろうと思ったら河原沿いを散歩する程度で十分です。たとえば、船橋だったら海老川や坪井川、八千代の方に行くと新川、花見川がありますが、これらの河原の少ししめった土手の周辺を探してみましょう。ご存知の通り、フキノトウはフキの地下茎から出ているものですから、当然フキのないところには出てきません。窪地や竹林などの周りでフキが群生している場所を見つけたら狙い目です。何といっても天ぷらで食べるのが一番!

 ワラビは簡単に採れる山菜ですが、時に保護色でなかなか見つけにくいことがあります。そんなときは、ワラビの枯れた葉を目当てにするといいぞ。場所は、日当たりの良い山道や緩やかな山の斜面などがポイントです。ウラ技として山の斜面を切り開いた団地などの造成予定地周辺なども狙い目になります。あたりにススキが生えているような場所ならGOOD!です。おひたしや天ぷら、ゴマ和えなどが好まれていますね─。

 ゼンマイは、湿った雑木林の中や野山に生えていて、よく弁当などの惣菜として使われているのでおなじみでしょ? でも、食用にされている大半が中国からの輸入物という話です。採ろうと思って意識するより、他の山菜のついでにあれば採ってたというような記憶しかありません。

 タラの芽。タラの木は、日当たりの良い山の斜面に見られる落葉低木で、幹には鋭く荒いトゲ、茎には細かいトゲがあるのが特長で、わりと群生していることが多く、3~4月頃山道を歩いているとすぐに見つける事ができます。ヒョロッとした感じの直木で枝分かれがあまりないので、一見ウルシに似ているかもしれません。芽がチョボッと出た段階で採るので、見つけたら、早い者勝ち!といったイメージのある山菜ですね。
 実は、娘が自衛隊の空挺少年団に入っていて、この時季になると野山の散策というのがあって、山菜採りをするんですね。この自衛隊の習志野演習場の中にタラの芽がたくさん自生していたのには少し感動しました。ヨモギやノビルなども採れ、お昼にはみんなでワイワイと天ぷらや田楽、味噌汁に舌鼓を打つ春のひとときです…。でも、この自衛隊の演習場内は一般の人には開放されていませんので、悪しからずご了承ください。ウラ技としては、高速道路(東北自動車道や中国自動車道、あるいは一部東名や常磐自動車道など)のドライブイン休憩の際、山間の立地でを散策できる時間があれば、ぜひ歩いてみましょう。散歩のついでに思わぬ収穫があると思います。

 ウドも日常の中で、深くなじみのある山菜かと思います。採取場所は、日当たりの良い野地や雑木林の近くで春先から夏にかけて採ることができます。人家や畑の近辺、河原などにも自生しています。ウドを切り採ってみたときに匂いをかいで見てください。当然のことながらウドの匂いがしますが、その香りはさすが山菜の王様です。ホワァ~とした匂いに「ああ、ウドやぁ…」と実感することができるでしょう。生で味噌をつけて食べるも良し、天ぷらでも良し、キンピラでもいけるし…油で炒めてもいいし…。そうそう、葉の部分を天ぷらにすると、タラの芽とほとんど同じ味がします。そりゃ、同じ仲間だもんね。

 ヨモギは、天ぷらのほかヨモギご飯、ヨモギダンゴ、ゴマ和えとバリエーションが豊富な山菜です。お灸のモグサとしても知られていますよね。春先から秋まで採取することができ、道端や土手、原っぱといたるところに自生しています。高血圧・肝臓病・胃腸病・下痢・頭痛まで幅広い薬効成分があることでも有名です。興味がある人は試してみるといいです。私も試しに調べてみましたが、これほど奥深い効能をもつ山菜というのは初めて知りました。これは正直スゴイです…。

最後に、山菜採りを楽しめるとっておきのスポットを紹介しますね。

千葉県の中央部に位置する高滝湖です。JR内房線の五井駅から小湊鉄道で約40分。周囲を山々に囲まれた自然豊かな湖です。高滝湖は水深4m~5mの浅くて広い湖ですが、近年はバスフィッシングのメッカとしても知られるようになりました。岸辺に沿った山間では山菜が豊富で、加茂菜という特産もあり、たけのこも知られるようになってきました。夏は花火大会もあったりして、四季折々に楽しめるのですが、少しずつ人出が増えてきたのがちょっと複雑な気持ちです…。でも、本当に都会の喧騒を忘れるにはとっておきの場所なので、ぜひ行ってみてください。


ご注意:
上記の記事は、地域情報サイト「まいぷれ」で掲載されていた「千葉県四方山話」というコンテンツを転載したものです。記載されている内容は、当時のものですので、現在の情報とは異なる可能性があります。ご了承ください。

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南野 風

南野 風

生粋の千葉県人。船橋在住4年目も、学生時代から社会人までアルバイト・仕事・遊び…にとあらゆるステージとして活躍していた過去を持つばっかりに、妙なことにやたら詳しい。 若く見られることも多いが、実際は「いい歳こいて…」と言われることも少なくない。あまり知られていないが、短歌をたしなむ吟遊詩人の顔を持つ。家庭では一男一女の父親である。
南野 風

南野 風

生粋の千葉県人。船橋在住4年目も、学生時代から社会人までアルバイト・仕事・遊び…にとあらゆるステージとして活躍していた過去を持つばっかりに、妙なことにやたら詳しい。 若く見られることも多いが、実際は「いい歳こいて…」と言われることも少なくない。あまり知られていないが、短歌をたしなむ吟遊詩人の顔を持つ。家庭では一男一女の父親である。

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