千葉県四方山話「第6話 千葉の紫陽花はココで見ろ!」

もう6月かい! あと1ヵ月で今年も半分が過ぎるわけだ……。

はやいもんだな、ほんとに。歳をとるほど加速度的にはやまるこの感じは一体何なんだろう、となんだかもの悲しくなる…。

そんなわけで、6月。1年のうちで、8月を除き唯一国民の祝日がない月として、かなり不評をかっている6月である。一応15日は千葉県民の日に制定されていて、県内の一部企業や学校では休みになっているようだが、都内に通勤・通学する千葉県民にとってはさしたる恩恵はない、といってもいい。

● 風のひとりごと

ちなみに、6月15日は私の誕生日でもあるが、この歳になるとちょっとな…。

今回のテーマは、「6月・つれづれ・紫陽花(あじさい)」と題して、タメになる知識をエッセイ風にまとめてみました!

6月なのに、なぜ水無月か…?

毎年この時季になると、決まってこの問題が浮上する。

すなわち、「梅雨時で連日のように雨が降り、ジメジメした天気が続くのに、水無月とはいかに?」というわけである。ご存知のように、「水無月」というのは、和風月名で旧暦(太陰暦)における月の名称のことで、季節的には現在の暦(太陽暦)とは約1ヵ月ずれているため、実際には月の名称が意味する季節とのあいだにはズレがあることをおぼえておこう。

だから「水無月」は、今の暦にあてはめると7月というわけだ。それでも、なぜ7月が「水無月」なのさ?という疑問は依然としてつきまとう。代表的な説を2つ紹介しよう。

  • 「農事がすでに終わり、皆仕事が尽く月…」から、皆尽月=水無月になった説。
  • 「田植えも終わり、田に水を張る月」から、水張月=水無月になった説。

こんなところでしょうか……。わかったような、わからないようなどこまでも曖昧な6月です。まぁ、当て字って言われれば当て字なんでしょうが、和風月名はいずれの月もそれなりに深~い由来があるのであまり突っ込まずに受け流した方がいいかもしれませんね。

■紫陽花(あじさい)って……。

紫陽花といえば、多くの人が鎌倉・明月院を思い浮かべるのではないでしょうか。
この時季、境内に咲く約2500株のほとんどが青磁色であるところから、俗に「明月院ブルー」と称されることでも知られています。

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また、鎌倉には明月院だけではなく、成就院や極楽寺、長谷寺、円覚寺などでも紫陽花を観賞することができるんですね─。古都の雨に濡れたあとの紫陽花は、落ち着いた古刹のたたずまいとあいまってひときわ美しく感じます…。この情緒は、この時季の鎌倉特有のものなんだと思います。

● 風のひとりごと

でもな─、私、明月院に2回ほど行っているんですが、すっごい人で、ゆっくり見て歩くなんてとてもとても…。ちょっとかんべんって感じでしたね。紫陽花自体、それはそれは見事なものでしたが、やっぱり日曜日というのがマズかったんでしょうか…。ですから、この時季行かれる方はそのへんを覚悟しといた方がいいです。

個人的には「成就院」をおススメしたいですね。参道を登ったところから振り返ると、鎌倉の海を望むことができるんですが、紫陽花と海の眺望を同時に味わえるのには、ちょっとした感動をおぼえますよ。

千葉県で紫陽花といえばやっぱりここです!

で、千葉県にはちゃんと紫陽花が見られるところはあるんかい? 意外かも知れませんが、千葉県には紫陽花の穴場がたくさんあるんです!!というわけで、以下のおススめスポット・ベスト3(ほんとはあまり序列をつけたくなかったんですが、そこは構成の都合上カンベンね)を紹介しちゃいます! ただね…旬に先駆けて原稿を打っているから、今はまだ3分咲きって感じなんですよね…。6月になったら、ぜひ訪ねてみたい!──そんなスポットです。

1、 「麻綿原(まめんばら)高原」… 天津小湊・清澄寺は、標高377mの清澄山頂の近くに建つ日蓮上人ゆかりの古刹として知られています。そこから、約4㎞ほどのとても整備されたハイキングコースを北上すると、およそ1時間ぐらいのところに、紫陽花の名所として有名な「天拝園」があります。その由来は、かの日蓮上人が朝日を拝みながらはじめてお題目を唱えたと伝えられている所から名づけられたそうです。約4~5万株ともいわれるの紫陽花が、あたりの斜面一斉に咲き誇っている様は、いかにも壮観です! 

ここで注意してほしいのは、紫陽花というのはもともと環境にデリケートで、特に気温の影響が大きいのだそうです。「麻綿原高原」の見頃は7月半ば過ぎといわれていますが、今年のような気候状況だと6月下旬から7月の上旬にかけてピークを迎えてしまうかもしれません。行く前に確かめておきましょう!

● 風のひとりごと 【これは、タメになる―!】

千葉県なのに、「高原」かい! と違和感をおぼえた人もいるんじゃないかな…。そりゃそうだ。千葉県は平均海抜43mで日本一低い都道府県なんだから…。しかも、県の最高峰は「愛宕山」の408m! ちなみに、47都道府県で最高峰が1000mに満たない府県は、わずか3つしかありません。京都府・皆子山の972m。そして、沖縄県・於茂登山の526mだから、千葉県はここでも日本一の座を獲得していることになる! でもって清澄山の377mは、愛宕山に次いで県下第2位ね。そんなわけで、このへんはもう立派な「高原」というわけさ。

2、「長谷山本土寺」… 「本土寺」は千葉の紫陽花寺として有名なんだぜ。JR常磐線・北小金駅から徒歩約10分。広々として起伏に富んだ境内は、ゆっくり散策すれば1~2時間があっというまに過ぎてしまうようなゆったりとした時の流れを感じさせてくれる。また、紫陽花だけではなく、妙朗堂の近くにある菖蒲池では、菖蒲やあやめ、かきつばたの競演!

でもな─。とにかくここは人出が多いのが…。テレビやガイドブック、HPをはじめたくさんのメディアに紹介されている有名なスポットまので、雨だろうが平日だろうが関係ないもんね。実質、知名度や集客度は県下№1といってもいいかもしれません。

それとね、車で行く人は、参道脇にいくつもある個人経営の有料駐車場には入らない方がいいぞ。物慣れた風のオッサンが「こっちや、こっち」などと言って誘導しているので、「どうも~」などと言ってうっかり入ろうものなら1日800円!取られることになるんだぜ。 いちばんいいのは、奥にある寺の無料駐車場を利用することですが、たいていは満車。そうでなければ、参道の中ほどにあるうどん屋の駐車場(無料)を利用しましょうね。

ちなみに、拝観料は、大人:500円、子供:300円です。

● 風のひとりごと 【これも、タメになる―!】

何と、ここでもまた日蓮上人の登場かい! それもそのはず、調べてみると、「長谷山本土寺」というのは、開運・子育ての寺としても有名な日蓮宗本山で、1277年に寺号を授かったのが起こりとされている非常に由緒ある名刹なんですって! しかも、東京・池上の「長栄山本門寺」、鎌倉の「長興山妙本寺」と並んで「朗門の三長三本」と称される宗門屈指の大寺なのだ。まいったか! さらに日蓮真筆の御書をはじめ、重要文化財に指定されているお宝が保護されているとのこと。う~ん…まいったな。

「ひめはるの里」(茂原市)や「佐原市立水生植物園」(佐原市)、あるいは、「清水公園」(野田市)などは、紫陽花よりもむしろ菖蒲の方が有名なスポットですが、同時に堪能できる上に、それぞれの趣向やイベントなど独自の味わいが楽しめるので、この時期の土・日曜日はたくさんの人で賑わっています。それぞれをレポートしようと思ったら、原稿用紙が何枚あってもたりないくらい見所や味わいに満ちていますので、ぜひ訪れてみてほしいですね。
どの場所にしても、この時期ならではの情緒なので、機会を逃すとまた1年後…ということになってしまいます。

あまりというかほとんどというか、ガイドブックなどには紹介されておらず、ネームバリューはないけど、知る人ぞ知るという地元ではかなり有名なスポットが、「ふれあいあじさいロード」(旭市)と「あじさい公園」(多古町)でしょうか…。シーズンの賑わいに限定されることとちょっと遠方にあるという条件が災いしているせいか、船橋あたりから訪れる人はあまりいないようです。まぁ、ここまで行くならもっと近くで、となるんでしょうね…。その意味では意外な穴場とも言えそうです。

もったいぶるわけではないんですが、実は三番目のスポットを決めるのにとても悩んだのです…。私の中ではもう決めてあったのですが、こうして改めて思い返してみるとここもいいな、あそこもいいな…と大変ですがな、ほんと。でも、やっぱり最初から考えていた所を選びました…。

「まいぷれ」のスタンスが、「ちょっとがんばれば、自転車でも回れる…」ということから、がんばって探してみました!

3、「香澄公園」(習志野市)・ 「秋津公園」(習志野市)… 6月の梅雨の晴れ間に、ちょっとサイクリングでもという向きには、意外と手頃でおススメですよ。特に「香澄公園」の花菖蒲は、明治神宮から株分けされたというエピソードがあり、約100 種750株が咲き誇る様はなかなか見事です。「秋津公園」の方は野球場が隣接しており、これからの時期、甲子園出場をかけた夏の高校野球予選会場となっていますので、母校の応援がてらちょっと立ち寄ってみてもいいかもしれませんね。

いずれも公園内には売店がないので、行く前に途中のコンビニに寄り道して、ペットボトルとおやつを買ってからいくといいぞ。午後少し時間ができたとき、つかのまの休息をしばしのんびりしたいとき、さわやかな風が吹きわたっているとき、が訪れるチャンスです!


ご注意:
上記の記事は、地域情報サイト「まいぷれ」で掲載されていた「千葉県四方山話」というコンテンツを転載したものです。記載されている内容は、当時のものですので、現在の情報とは異なる可能性があります。ご了承ください。

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南野 風

生粋の千葉県人。船橋在住4年目も、学生時代から社会人までアルバイト・仕事・遊び…にとあらゆるステージとして活躍していた過去を持つばっかりに、妙なことにやたら詳しい。 若く見られることも多いが、実際は「いい歳こいて…」と言われることも少なくない。あまり知られていないが、短歌をたしなむ吟遊詩人の顔を持つ。家庭では一男一女の父親である。
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南野 風

生粋の千葉県人。船橋在住4年目も、学生時代から社会人までアルバイト・仕事・遊び…にとあらゆるステージとして活躍していた過去を持つばっかりに、妙なことにやたら詳しい。 若く見られることも多いが、実際は「いい歳こいて…」と言われることも少なくない。あまり知られていないが、短歌をたしなむ吟遊詩人の顔を持つ。家庭では一男一女の父親である。

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