千葉県四方山話「第8話 ぜひ行ってみてほしい!浦安市郷土博物館」

浦安市といえば、何といっても「東京ディズニーランド」 そして、ディズニーランドといえば、昨年9月に海にまつわる物語と伝説をテーマに「東京ディズニーシー」が開園。同時に、パーク一体型のホテルもオープン、さらにディズニーリゾートラインの開通によって一大ディズニーリゾートを形成することとなったのは、記憶に新しい。

すごいな、浦安…。

そんなわけで、浦安の快進撃は、まだまだ続きそうです。そこで今回のテーマは、「ぜひ行ってみてほしい!浦安市郷土博物館」として、みなさんに紹介したいと思います!

行ってきました!浦安市郷土博物館

「浦安市郷土博物館」は平成13年4月にオープンして以来、1年余りが経ちますが、その間、市内外から約19万人の来館者があったそうです。館内は、屋内展示と屋外展示に分かれていて、昔のさまざまな生活体験ができる市民参加の体験型博物館です。

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■ 千葉県浦安市猫実1-2-7
■ 入館料:無料
■ 開館時間:9:30から17:00
■ 休館日:毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)、他に館内整理日(月末の平日)
■ 交通:地下鉄東西線浦安駅から舞浜駅行バスにて市役所前下車(10分)/JR京葉線新浦安駅から南行徳行バスにて市役所前下車(10分)

まずは、屋内展示から!

屋内展示には、「魚介類の宝庫・浦安」「オカのくらし」「変わりゆく浦安」の3つのテーマで構成されるテーマ展示室。そして、浦安に伝わるベカ舟(海苔取り舟)の製作実演コーナーなどがなど、浦安の歴史を楽しめながら学べる展示がたくさんあります。使い込まれた舟の大工道具、632点は、千葉県の有形文化財に指定されている貴重品で、一見の価値ありです。実際に使われたさまざまな漁具も数多く展示されているので、当時の漁業風景を思い浮かべることができますね──。それに、干潟のジオラマやシロギスやアオギスが泳ぐ水槽を見ていると、何だかとても楽しい気分になれます!!
ユニークなのが「浦安亭」 昭和30年代まで実在した寄席で、たくさんの芸人たちがこの舞台で修行を積み、芸を磨いていったのだそうです。

それだけじゃないぞ!

「郷土博物館」では、年間を通して、さまざまな企画展や特別展、講演会などが開催されています。私が訪れた時には、出土遺物巡回展として「房総発掘ものがたり」(6月15日~7月14日)が行われているところでしたが、旧石器時代から鎌倉・室町時代に至るまで、房総の歴史を振り返る上で価値の高い発掘物が多数展示されていました。千葉県では、年間約500件以上の発掘調査が行われていますが、その成果を間近に見る機会はあまりないのではないかと思います。めったにお目にかかれるものではないので、歴史や考古学に興味がある人は必見ですよ!

ちなみに昨年度は、写真展「海と暮らす」・特別展「アオギスがいた海」・「平和と寛容の国際絵本展」など、特別展1回、教育委員会主催の絵本展1回、企画展などの展示会が5回開催されました。「何度訪れてもきっと新しい発見があるはずです!」とのお話も、なるほどと納得できます。

「感動!」しました。屋外展示場。

そして、中庭に出ると屋外展示場がありますが、ここでは漁師町として活気にあふれていた昭和27年頃の町並みを再現した「浦安のまち」が迎えてくれます。郷愁感あふれるこの町並みは、路地裏から音までまるでタイムスリップしたような雰囲気を感じさせてくれます。

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「まち」の中を流れる川は、浦安の人々のくらしの中心であった澄んだ「境川」の清らかな流れをイメージしたものだそうです。川には、「打瀬船」や「ベカ舟」が浮かんでいて、体験試乗することができます。

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橋を渡って「まち」に足を踏み入れると、右にたばこ屋、左には「船宿」があり、そのあいだの路地をまっすぐ歩いていくと、「豆腐屋」と「魚屋」が立ち並んでいます。つきあたりの通りを左に曲がると今度は「風呂屋」と「天ぷら屋」が…。そして「三軒長屋」が立ち並ぶそばには、「共同水道」や「共同便所」まであるじゃないか!さらに、通りに面した塀には当時のポスターが貼ってあったりして…。う~ん、味わい深いな…。

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これらの建物は、実際に建っていたものを移築したり、実在したものをモデルに再築したりしたもので、中には市の有形文化財に指定されているものもある貴重な建物群です。

民家には、ぜひあがってみてください。現代のくらしとはちょっと違う新鮮な感動があります。踏みしめるたびにシャリシャリと音を出す「貝がらの道」。かたわらでは、子どもたちがベーゴマなどのどの昔遊びにに興じていたする…。このシチュエーションには、夕焼けがよく似合う…と少年のころの日々をしみじみと思い出したりする懐かしい光景でした。

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そうそう忘れちゃいけない。屋外展示場にはもう一つ、たいへん貴重なものがあるんです!!その名も「焼玉エンジン」! この焼玉エンジンは、昭和30年代まで買い出し船などの大型船に使われていたエンジンで、旧江戸川から引き上げられて3年の歳月をかけて復元されたもんです。迫力あるエンジン音はすごいぞ!

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ところで、ベカ舟ですが…

「ベカ舟、何それ?」というのが一般の反応でしょうね…。私もこの名称を知りませんでした。「ベカ舟」というのは、かつて東京湾全域で見られた一人乗りの海苔採取用の木造船のことです。「ベカ」の語源については、さまざまで

  • ベカ舟を手で強く押すと、「ぺこぺこ」するところから、「ぺこ」という呼び名が生まれ、それが次第に訛って「べか」と呼ばれるようになった。
  • 「ぶっくれ船」という呼び名が縮まって「ベカ舟」となった。
  • 船板の極端に薄いぺかぺか光る船が登場し、ベカと呼ばれるようになった。
  • 軽くて細い、あるいはうすくてたわみやすいものを、「ヘカ」とか「ヘカヘカ」と呼ぶところから「ベカ舟」となった。

など、諸説あるようです。

風のひとりごと

そういえば私の田舎、千葉県富津市でも「ベカ舟」なるものがあったように記憶しています。当時の海は、今ではもうすっかり埋め立てられて跡形もありませんが、おぼろげな記憶の中では昭和50年ごろまでは確かに存在していたように思います。地元の人たちは、「ノリトリブネ」とか「ササッパ」、「テンマセン」とか呼んでいました。友人の家が漁師を営んでいたので、何度か乗せてもらったことがあります。でも、その頃木造船は、すでに衰退し始めていて、当時の主流派カーボン製の船に船外機をつけていたものがほとんどでした。

浦安では、主に海苔採り船のことをベカ・ベカブネ・ノリベカなどと呼んでいたようですね。

アオギスについてですが…。

「アオギス」という魚を聞いたことがありますか? かつては浦安だけではなく東京湾全域に生息していた魚で、「アオギスの脚立釣り」は浦安の初夏の風物詩といわれていました。

「アオギス」は、今では九州の一部にしか生息していないそうで、水産庁のデータでは「絶滅危惧種」にあげられている幻の魚です。「郷土博物館」では、東京湾では絶滅したといわれるこの「アオギス」を、現在も飼育・研究中です。このアオギスは、御宿にある財団法人海洋生物環境研究所で人工ふ化したものを寄贈してもらったものです。研究は引き続き行われ、浦安の海との関わり方など、今後も追求し続けていくとのことでした。

このあたり、興味深い話をたくさん教えていただいたので、興味のある人は、スタッフのみなさんに気軽に質問してみるといいですよ。みんな、親切にいろいろなことを教えてくれますから!

風のひとりごと

そういえば、私、田舎(富津)にいたころ、シロギスはよく釣ってましたね──。大物は30センチ近いものも釣れたと記憶していますが、大きさは大体15~25センチ位です。小さくても引きの強い魚で、よく天ぷらにして食べてました。これが、また絶品といっていいくらいうまいんだ!たぶん、今では富津でもシロギスを釣るのは難しいんじゃないのかな…。その昔、あたりまえのように釣っていた魚たちが、何だかどんどんいなくなるってのは、やっぱりさびしいですよね…。

まだまだあるぞ!浦安市郷土博物館。

子どもチャレンジ!

子どもチャレンジには、ちびっこコース・初級ベーゴマコース・初級お手玉コースなど7種類のカードがあり、それぞれが浦安の文化に関わることを体験したり、展示室で調べたりしながら進めていくものです。

一つのコースをすべて合格すると、名人として認定され、次のコースに進めます。子どもチャレンジに期限はないので、いつ来ても続きから挑戦できます。チャレンジカードのほかに、「博物館ひみつめいれい」や「博物館特別指令」の二つのカードがあり、問題を解きながら博物館の宝にふれることができるんですよ!!ぜひ経験してみてくださいね──。

浦安に残る技術を、身近に体験しよう!

「郷土博物館」では、各種文化団体が定期的に活動しています。私が訪れた時も、投網保存会のみなさんによる実演と実技指導が行われていました。
「貝むき体験」や「火おこし体験」、「海苔すき体験」、「お手玉・ねつけ作り教室」…。

見るだけではなく、共に参加し学ぶことのできることの意義はとても大きいもの。見て、ふれて、感じて…。来館者の多くが積極的に参加している姿を見て、改めて博物館の存在意義を考えさせられたような気がしました。体験を通して、「ふるさと・浦安」の有形・無形の財産に親しみ、後世に受け継いでいく。今の時代、伝統文化の継承は、きっとこのようなオープンスペースで、楽しみながら親しんでふれてこそ浸透していくのでしょう。

旧来の博物館の在り方を見直し、今後は全国的に「浦安市郷土博物館」型のミュージアムが増えていくのではないかな…と予感させる新鮮な発見がありました。21世紀、新たな市民文化の情報発信基地として、また、今後の「まちづくり」を考えるいく拠点としてますます発展していくことでしょう。
また行ってみたいぞ!「浦安市郷土博物館」!

浦安名物といえば、何といっても「焼蛤」でしょう。

浦安に職場がある知人から、「これは絶対うまいから一度食べてみろ!」と進められたのがきっかけで、初めて食べてみた「さつまや」の「焼き蛤」 はっきり言ってハマりました──。「このタレの味は、ご飯のおかずだけじゃなくてビールのつまみにも合うから…」この一言が決定打となりました…。 もともと貝類は大好物だったんだけど、ここまで具とタレが融合していると、感動すら覚えます!

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れもそのはず、「さつまや」は70年以上も続く老舗で、醤油・砂糖・みりんで作る秘伝のタレには60年以上も漬け込まれた焼き貝の旨みが凝縮されているんですから…うまいわけだ!そのままおつまみとして食べてもよし。あつあつのごはんにのせてタレをかけて食べてもよし。きっとその味が忘れられなるはずだからぜひ味わってみてほしいですね──。東京ディズニーランドやディズニーシーの帰りに東西線の浦安駅を利用する人は、このお土産を忘れずに買って帰ろうぜ!

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ちなみに、焼あさりは、1串35円焼蛤は、1串100円です。焼あさりが18本と焼蛤5本の詰め合わせが1,300円となっています。もちろん、バラ売りで自由に組み合わせて買うこともできます。上の写真がそうですが、私が買ったのもコレね。


ご注意:
上記の記事は、地域情報サイト「まいぷれ」で掲載されていた「千葉県四方山話」というコンテンツを転載したものです。記載されている内容は、当時のものですので、現在の情報とは異なる可能性があります。ご了承ください。

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南野 風

南野 風

生粋の千葉県人。船橋在住4年目も、学生時代から社会人までアルバイト・仕事・遊び…にとあらゆるステージとして活躍していた過去を持つばっかりに、妙なことにやたら詳しい。 若く見られることも多いが、実際は「いい歳こいて…」と言われることも少なくない。あまり知られていないが、短歌をたしなむ吟遊詩人の顔を持つ。家庭では一男一女の父親である。
南野 風

南野 風

生粋の千葉県人。船橋在住4年目も、学生時代から社会人までアルバイト・仕事・遊び…にとあらゆるステージとして活躍していた過去を持つばっかりに、妙なことにやたら詳しい。 若く見られることも多いが、実際は「いい歳こいて…」と言われることも少なくない。あまり知られていないが、短歌をたしなむ吟遊詩人の顔を持つ。家庭では一男一女の父親である。

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